お客様が清掃業者を探すとき、いま一番多い行動は何だと思いますか?
タウンページを開く——ではありません。知人に聞く——それも減りました。正解は、スマホで「エアコンクリーニング ◯◯市」と検索するです。
そのとき画面の一等地に出てくるのが、地図と一緒に表示されるお店の一覧。あれが「Googleビジネスプロフィール」です。そして驚くべきことに、これ、完全無料です。
タダで、地域の一等地に、24時間営業の看板が出せる。なのに清掃業では、まだ登録すらしていない会社がたくさんあります。今日は、この無料の看板の立て方と育て方の話です。
Googleビジネスプロフィールは「地図に立てる自分の旗」

Googleビジネスプロフィールとは何か。ひとことで言えば、Googleの地図と検索結果に自分の会社の旗を立てる仕組みです。会社名、営業時間、電話番号、写真、お客様の口コミ——それらがまとまった「会社の顔」が、検索した人に表示されます。
なぜこれが清掃業に効くのか。理由は、清掃業が「地域商売」だからです。東京の人が宮崎の清掃業者を検索することはありません。検索するのは、あなたの商圏に住んでいて、いままさに困っている人だけ。つまりここに表示されるということは、「近所の、いま困っている人」の目の前に看板が出るということです。チラシ1万枚をばらまくより、よほど狙いすましたご縁が生まれます。
登録は「Googleビジネスプロフィール」で検索して、案内に従って会社情報を入れていくだけ。費用はゼロ、必要なのは30分の手間だけです。もしまだなら、この記事を読み終わったらすぐやってください。ここから先は、登録した後の「育て方」の話です。
看板の育て方1: 写真で「ちゃんとした会社」を見せる
検索したお客様は、複数の会社を見比べます。そのとき、写真が1枚もない会社と、作業風景やビフォーアフターの写真が並んでいる会社。どちらに電話するかは、考えるまでもありません。
載せるべき写真は、この4種類です。
- ビフォーアフター写真——換気扇、浴室、エアコン。実力の証明はこれが最強
- 作業中の風景——養生をきちんとしている場面は、それだけで信頼になります
- スタッフの顔写真——「どんな人が来るのか」は、お客様の最大の不安。笑顔の写真1枚で不安が解けます
- 会社の車や道具——実在するちゃんとした会社、という安心感
日々の現場で撮っているビフォーアフター写真が、ここでまた働いてくれるわけです。月に2〜3枚ずつでも追加し続けると、「動いている会社」としてお客様にもGoogleにも好印象です。
看板の育て方2: 口コミは「もらいに行く」もの

お客様が一番見ているのは、実は写真より口コミ(クチコミ)です。星の数と、書かれている内容。ここで大事な原則をひとつ。
口コミは、待っていても書かれません。
満足したお客様の大半は、感謝はしても、わざわざスマホを開いて口コミを書くことまではしません。だから、こちらからお願いするのです。ベストなタイミングは、作業後にお客様が仕上がりに感動している、まさにその瞬間。
「ありがとうございます。もしよろしければ、Googleの口コミで感想をいただけると、とても励みになります。このQRコードから書けますので、お手すきのときにでも」
口コミ投稿ページへ直接飛べるQRコードは、管理画面から取得できます。名刺やお礼ハガキに印刷しておくと、その場で書いてくれなくても、後から書いてもらえる率が上がります。
そして、書いてもらった口コミには必ず返信してください。「ご依頼ありがとうございました。換気扇の油汚れ、手強かったですがキレイになって良かったです!」——返信は、書いてくれた本人へのお礼であると同時に、これから読む未来のお客様への接客でもあります。丁寧な返信が並ぶプロフィールは、それ自体が「感じのいい会社」の証明になるのです。
看板の育て方3: 「最新情報」を月1回だけ投稿する
写真と口コミに比べて見落とされがちなのが、「最新情報(投稿)」機能です。プロフィール上に、お知らせを掲示板のように載せられる機能で、これを月1回だけ使います。
内容は、凝らなくて構いません。「エアコンクリーニングのご予約受付中。梅雨入り前がおすすめです」「年末の大掃除、11月中のご予約で希望日が選べます」——季節のお知らせを写真1枚つきで。5分の作業です。
効能は2つ。ひとつは、検索したお客様への「この会社、ちゃんと動いてる」という安心感。更新が2年前で止まっているプロフィールは、「この店、まだやってるのかな?」という不安を与えます。もうひとつは、Googleへのアピール。定期的に情報が更新されているプロフィールは、Googleからも「活動中の店」として扱われやすいと言われています。月1回、カレンダーに「Google投稿の日」と書いておくだけの習慣で、看板は静かに強くなっていきます。
悪い口コミがついたときの正しい振る舞い
続けていると、いつか星1つの口コミがつく日も来ます。心臓に悪いですが、慌てないでください。ここでの振る舞いこそ、未来のお客様に一番見られています。
やってはいけないのは、感情的な反論と、無視。正解は、冷静で誠実な返信です。「この度はご期待に沿えず申し訳ありませんでした。◯◯の件、改めてお話を伺えれば幸いです。直接ご連絡させていただきます」——。
未来のお客様は、星1つの口コミそのものより、それにどう対応する会社かを見ています。誠実な返信ができていれば、悪い口コミ1件は、むしろ「トラブル時も逃げない会社」の証明に変わります。満点の星より、誠実な対応履歴のほうが信頼されることさえあるのです。
無料の看板と、その先の話
まとめます。①今日登録する ②写真を月2〜3枚足す ③作業後に口コミをお願いする ④全部に返信する。これだけで、あなたの会社は地域の検索結果で「選ばれる側」に入っていきます。かかる費用は、いまも、これからも、ゼロ円です。
そして最後にひとつ。Googleの看板が連れてくるのは、あくまで新規のお客様です。その方が2回目、3回目と続くお客様になるかどうかは、看板の仕事ではなく、作業後のひと言と、お礼と、記録と、1年後の連絡——つまり、これまでこの連載でお話ししてきた「リピートの仕組み」の仕事です。無料の看板で入口を作り、記録の仕組みで常連に育てる。両輪が揃ったとき、集客は初めて安定します。


