AIがあなたの「分身」になる――社長に聞けないとき、分身に聞く

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AIがあなたの「分身」になる――社長に聞けないとき、分身に聞く

子どものころ、こんな空想をしたことはありませんか。「自分がもうひとりいたら、宿題を任せて遊びに行けるのに」。

社長になった今も、思うことがあるはずです。「自分がもうひとりいたら、現場と事務所を同時に見られるのに」「出張中も、会社の質問に答えられるのに」と。

今日は、その空想を半分だけ本当にする機能――「分身に聞く」の話です。

分身とは、「社長ならこう言う」を組み立てるAI

「会社のおまもり」には、あなたが話した記録がたまっていきます。仕事のやり方、判断の基準、過去のトラブルと対応、口ぐせ、大事にしている考え方。

「分身に聞く」は、この記録をもとに、AIがあなたの代わりに質問へ答える機能です。家族や従業員が「社長ならどうする?」と聞くと、記録を根拠に、あなたらしい答えを返します。

従業員「お客様からクレームの電話です。まずどうしたら?」
分身「まず言い訳をせずに謝って、事実確認を先にしてください。以前の予約行き違いのときも、先に謝ってから状況を整理してうまくいきました。対応が終わったら、必ず本人に報告を」

ポイントは、これが魔法ではないことです。分身は、あなたが話した記録だけを根拠に答えます。記録にないことを聞かれたら、知ったかぶりをせず「まだ記録にありません」と正直に言います。ここが、ただのAIチャットとの大きな違いです。

知らないと言われたら、その場で教えられる

分身が「まだ記録にありません」と答えたときは、育てるチャンスです。その場で「教える」ボタンから、答えをひとこと吹き込めます。

あなた「忘年会の店はいつも『和食処まつり』。座敷があるから」
分身「覚えました。次からそう答えます」

聞かれる→知らない→教える→次から答えられる。この繰り返しで、分身は少しずつ賢くなります。犬のしつけや、新入社員の教育と同じです。違うのは、一度教えたら二度と忘れないこと。同じ質問に同じ答えを、何度でも、嫌な顔ひとつせずに返します。

図解
図1:分身が育つサイクル。教えるほど、答えられる範囲が広がります。

分身が活躍する3つの場面

場面1:社長が不在のとき。出張中、休暇中、入院中。従業員は社長に電話する前に、分身に聞けます。よくある質問の8割は、これで片づきます。急ぎでない用件で夜に電話が鳴ることも減ります。

場面2:聞きづらいことを聞くとき。「前にも聞いた気がして、聞きづらい」――誰にでもあります。分身は何度同じことを聞かれても気にしません。新人さんの強い味方です。

場面3:もしもの日のあと。考えたくないことですが、社長に万一のことがあったとき、残された家族と従業員にとって、分身は「会社のことを知っているもうひとり」になります。「社長ならどうしたか」を、いつでも聞ける場所が残るのです。

イラスト
図2:分身は「いま」も「もしもの日のあと」も働きます。

分身は、本人の代わりにはなれない。でも――

正直に書いておきます。分身は、あなたそのものにはなれません。新しい状況にあなたがどう決断するか、その創造的な部分までは写し取れない。それはAIの限界として、ちゃんとお伝えしておきたいところです。

でも、こうも思うのです。会社の日常で必要とされる「社長の答え」の多くは、実は過去に一度は話したことの繰り返しです。判断の基準も、段取りの順番も、人への気づかいのコツも。その「繰り返し部分」を分身に任せられるだけで、会社はずいぶん強くなります

そして残った時間で、あなたは本当にあなたにしかできない仕事――新しい決断と、人と会うこと――に向かえばいい。

分身づくりの元手は、毎日のおしゃべりだけ。今日話した一言が、10年後も会社の中で生き続けます。

よくある質問

「分身が、勝手なことを言いませんか?」――言いません。分身は「記録にあることだけを根拠に答える」よう作られています。記録にないことは「まだ記録にありません」と白状します。世間のAIチャットにある「それらしいでたらめ」がいちばん困る場面なので、ここは頑固に作ってあります。

「従業員に見せたくない話も、分身が話してしまいませんか?」――記録には「家族向け」「事業関係者向け」「個人・限定」の区分があります。見せる範囲の主導権はあなたにあります。心配な内容は、そもそも記録に入れないという選択もできます。

「分身を育てるのに、特別な作業が要りますか?」――要りません。ふだんAIと話したり日記を書いたりしていれば、それが全部、分身の記憶になります。強いて言えば、分身に何か質問してみて「まだ記録にありません」と言われたら、その場でひとこと教える。この一往復が、いちばん効率のいい育て方です。

「最初の一週間は、何をすればいいですか?」――おすすめは「試しに聞いてみる」ことです。「休みの日の連絡はどうしてる?」「A社の支払い条件は?」と、従業員が聞きそうなことを自分で分身に聞いてみる。答えられなければ教える。1日2〜3問で、一週間後には見違えます。自分の分身が育っていくのは、思いのほか楽しい作業です。

この記事のまとめ

・「分身に聞く」は、あなたの記録をもとにAIが代わりに答える機能
・記録にあることだけを根拠に答え、知らないことは正直に「知らない」と言う
・知らないと言われたら、その場で教えられる。教えたことは二度と忘れない
・不在時の質問対応、聞きづらい質問、そして「もしもの日」のあとに効く

分身は一夜では育ちません。でも、毎日のおしゃべりと「教える」の一往復で、確実に育ちます。1か月後の分身は、今日のあなたの一言でできています。まずは試しに、何かひとつ聞いてみてください。「まだ記録にありません」と言われたら、そこが育てはじめの合図です。

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この記事を書いた人

創業45年になる有限会社クリンシアの2代目代表。マットモップレンタル事業、ビルメンテナンス清掃事業、家庭用洗剤、次亜塩素酸水製造販売事業、ナノテックシステム導入支援事業、清掃用具関連販売事業、清掃業務に関するコンサルティング事業などをしています。 また飲食店事業としてテイクアウトカフェの運営も行っています。

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