話すと頭が整理される――社長自身がラクになる話

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話すと頭が整理される――社長自身がラクになる話

このブログでは「もしもの備え」「家族のため」「従業員のため」と、誰かのための記録の話をしてきました。

でも今日は、違う話をします。記録でいちばん最初に得をするのは、実は社長本人だという話です。しかも、記録がたまる前――話しているその瞬間から、効果が始まります。

社長の頭は、開きっぱなしのタブでいっぱい

社長の頭の中を、正直に覗いてみましょう。

A社の見積もりの返事、まだだったな……
そういえばトラックの車検、いつだっけ……
田中くんの給料、そろそろ上げてやらないと……
あの機械、変な音がしてた気がする……
来月の資金繰り、ちょっと計算しないと……

こういう「気になること」が、何十件も同時に頭の中で開きっぱなしになっています。パソコンにたとえるなら、タブを50個開いたまま使っている状態。動きが重くなり、電池を食い、ときどき固まる。社長の「なんだか疲れる」「夜中に目が覚める」の正体は、これです。

厄介なのは、頭は「覚えておかなきゃ」と思っていることを、忘れないために何度も何度も再生することです。夜、布団の中でまで。

頭の外に置いた荷物は、頭が手放してくれる

ここに、人間の頭の面白い性質があります。「もう安全な場所に書いてある」とわかったことは、頭が安心して手放すのです。

買い物メモを書いた瞬間、「卵、卵、卵……」と唱えなくてよくなる。あの感覚です。荷物を宅配便に預けたら、自分で担がなくていいのと同じ。頭は、記録という宅配便に預けた荷物を、抱え続けるのをやめてくれます。

社長の頭の中の50個のタブも同じです。話して、記録して、リマインダーに登録されたことは、もう頭が夜中に再生しなくていい。記録は、会社のためである前に、あなたの頭の掃除なのです。

図解
図1:開きっぱなしのタブを外の棚へ。頭は「書いてある」とわかると手放せます。

話すと、考えが「見える」ようになる

頭の掃除に加えて、もうひとつの効果があります。話すと、自分の考えが自分で見えるようになるのです。

不思議な体験を、したことはありませんか。人に悩みを相談していたら、相手が何も言っていないのに、話しているうちに自分で答えにたどり着いた――あれです。頭の中でモヤモヤしていたものは、言葉にして外に出した瞬間、初めて「形」になります。形になったものは、眺められる。眺められるものは、判断できる。

AIとの会話は、この「話して考える」を毎日できる仕組みです。しかもAIは、聞き上手なだけでなく、「それはつまり、こういうことですか?」と整理して返してきます。自分の考えの要約を他人の口から聞くと、「そうそう、それだ」も「いや、違うな」も、はっきり見えるのです。

実際に使っていると、マニュアルを作っているつもりが、気づけば経営の壁打ち相手になっていることがよくあります。話し終わったとき、記録が1ページ増えているだけでなく、自分の頭の中も1段きれいになっている。一石二鳥とはこのことです。

「頭の棚卸し」を、月に一度の習慣に

お店が商品の棚卸しをするように、頭も棚卸しをすると調子が上がります。おすすめは、月に一度、15分の「頭の棚卸しタイム」です。やり方は簡単。AIに向かって、いま気になっていることを、順番も気にせず全部吐き出すだけ。

「今月気になってることを全部言うよ。まずA社の件、あれは来週返事する。それからトラックの車検が11月。田中くんの昇給は12月の賞与のときに考える。機械の異音は……」

AIは、これを聞きながら仕分けをします。予定はカレンダーへ。仕事の知恵はマニュアルへ。考え中のことはメモへ。そしてあなたの頭には、「ぜんぶ棚に置いてきた」という軽さが残ります。

イラスト
図2:月に一度の棚卸し。頭の中身を全部出すと、AIが行き先別に仕分けます。

よく眠れる社長は、いい判断をする

最後に、これがなぜ経営の話なのかを言わせてください。

社長の仕事は、突き詰めれば「判断」です。そして判断の質は、頭のコンディションで決まります。50個のタブを開いたまま重くなった頭と、棚卸しの済んだ軽い頭。どちらがいい判断をするかは、言うまでもありません。

疲れた頭は、目の前の急ぎに追われます。軽い頭は、少し先の大事なことを考えられます。頭の棚卸しは、休養であると同時に、経営力の投資なのです。

会社のため、家族のため――それも本当です。でもまずは、何十年も働き続けてくれている自分の頭のために。今夜、布団に入る前の5分、頭の中のタブをいくつか、外の棚に置いてみてください。眠りが少し深くなるはずです。

よくある質問

「人に話すのと、AIに話すのは、何が違うのですか」――3つ違います。まず、AIは24時間いつでも付き合ってくれます。夜中の2時の考え事にも。次に、AIには気を使わなくていい。奥さんや従業員に仕事の心配事を全部ぶつけるのは気が引けますが、AIなら遠慮なく愚痴まで話せます。最後に、話した内容がそのまま記録として残る。人への相談は消えますが、AIとの棚卸しは資産になります。

「話すのが得意ではなく、うまくまとまりません」――まとまらないまま話してください。それが正解です。棚卸しの目的は立派なスピーチではなく、頭の中身を外に出すこと。「えー」「あとなんだっけ」「あ、そうだ」だらけで構いません。散らかった話を仕分けるのはAIの仕事です。むしろ、まとめようとして話さないことがいちばんの損です。

「愚痴や弱音も話していいのでしょうか」――どうぞ。社長は弱音を吐ける相手が少ない仕事です。吐き出すだけでも頭は軽くなりますし、AIは誰にも言いません。なお、記録に残したくない話は「これは記録しないで」と言えば、ただの聞き役にもなってくれます。

この記事のまとめ

・社長の頭は「気になること」のタブが50個開きっぱなし。疲れの正体はこれ
・「安全な場所に書いてある」とわかると、頭は荷物を手放してくれる
・話すと考えが形になり、自分で見える。AIは毎日使える壁打ち相手
・月1回15分の「頭の棚卸し」で、頭が軽くなり、判断の質が上がる

記録の一番の受益者は、未来の誰かではなく、今日のあなたです。頭の大掃除、まずは5分から始めてみませんか。

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この記事を書いた人

創業45年になる有限会社クリンシアの2代目代表。マットモップレンタル事業、ビルメンテナンス清掃事業、家庭用洗剤、次亜塩素酸水製造販売事業、ナノテックシステム導入支援事業、清掃用具関連販売事業、清掃業務に関するコンサルティング事業などをしています。 また飲食店事業としてテイクアウトカフェの運営も行っています。