今日あったことを一言しゃべるだけ。「できごと日記」が会社の宝になる

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今日あったことを一言しゃべるだけ。「できごと日記」が会社の宝になる

毎日1枚だけ、子どもの写真を撮り続けたお父さんの話を聞いたことがあります。1枚1枚は、なんでもない写真です。ごはんを食べている顔、昼寝している顔。

でも10年たって振り返ると、それはお金では買えないアルバムになっていました。成長の記録が、まるごと残っていたからです。

会社にも、同じことができます。それが「できごと日記」です。

書くのは「いつもと違う日」だけでいい

日記と聞くと、「毎日書くのは無理」と身構えるかもしれません。ご安心ください。できごと日記は、なんでもない日は書かなくていい日記です。

書くのは、いつもと違うことがあった日だけ。

・お客様からクレームがあった。まず謝って、◯◯で対応した
・従業員の田中さんが、機転をきかせて◯◯してくれた
・新しい取引先と会った。△△という条件で話が進みそう
・機械が変な音を出した。□□したら直った

こういう日に、一言か二言。音声入力なら30秒です。ドラマチックな文章はいりません。「事実と、どうしたか」だけで十分です。

ただのメモと違うのは、AIが「仕分け」してくれること

ここからが、ノートに書く日記との違いです。できごと日記に書いた内容は、AIが読んで、自動でしかるべき場所に振り分けられます

クレーム対応の話なら、その対応手順が「事業マニュアル」の注意点に清書されます。あなた自身の考え方がにじむ話なら、「会社とわたし」の人物像に織り込まれます。「毎年12月にカレンダーを配る」と書けば、毎年の予定として登録され、時期が来たら向こうから知らせてくれます。

図解
図1:1行の日記を、AIが3方向に育てます。あなたは書きっぱなしでOK。

つまり、あなたは「書きっぱなし」でいいのです。整理も、分類も、清書も、ぜんぶAIの仕事。写真を撮るだけでアルバムが勝手に編集されていく、と思ってください。

たまった日記は、会社の「経験のデータベース」になる

日記が3か月、半年とたまってくると、じわじわ効いてきます。

効きめ1:「前どうしたっけ?」に答えが出る。「去年の今ごろ、あのトラブルどう対応したっけ」。記録があれば、探すだけです。人間の記憶は1年で薄れますが、日記は薄れません。

効きめ2:分身が「実際のあなた」に近づく。日記は、分身AIのエピソード記憶になります。「クレームのときはまず謝る人」「従業員の頑張りをよく見ている人」――日々の記録が、分身の人柄を作っていくのです。

効きめ3:従業員との歴史が残る。「田中さんがあのとき機転をきかせてくれた」という記録は、数年後に読み返すと宝物です。昇給や賞与を考えるときの材料にもなりますし、何より、一緒に働いた歴史そのものが残ります。

イラスト
図2:1行ずつの積み重ねが、1年後には「会社の経験データベース」になります。

年輪は、1年に1本ずつしか増えない

木の年輪は、1年に1本ずつしか増えません。何年分もまとめて増やすことは、どんな名人にもできません。

会社の記録も同じです。「そのうちまとめて書こう」は、残念ながら実現しません。今日のできごとは、今日しか書けないからです。1週間後には細部を忘れ、1か月後には出来事そのものを忘れます。

だからこそ、仕組みは軽くしました。いつもと違う日に、一言だけ。マイクに向かって30秒。それで年輪が1本増えます。

10年後のあなたと、あなたの会社の人たちが、「よくぞ残しておいてくれた」と言うはずです。あのお父さんのアルバムのように。

今日から使える「日記のネタ帳」

「いつもと違う日って言われても、ピンとこない」という方のために、書く価値のあるできごとを一覧にしておきます。どれかに当てはまった日が、日記の日です。

・お客様に、ほめられた/叱られた日
・従業員が、いい動きをしてくれた日
・トラブルが起きて、何とかした日
・新しい相手と会った日、新しい話が動いた日
・機械や道具の調子が変だった日
・値段や条件が変わった日
・「これ、いつか忘れそうだな」と思った瞬間があった日

コツは2つだけです。1つ、事実と対応をセットで書く。「クレームがあった」で終わらせず、「まず謝って、◯◯した」まで書くと、将来の誰かの教科書になります。2つ、人の名前を入れる。「田中さんが」「B社の佐藤さんが」と名前があるだけで、記録の価値が倍になります。分身AIが人間関係まで覚えてくれるからです。

ちなみに、うれしかったことも遠慮なくどうぞ。仕事の記録に「うれしい」を書いてはいけない決まりはありません。あとで読み返したとき、会社を続けてきた意味を思い出させてくれるのは、たいてい、そういう一行です。

この記事のまとめ

・できごと日記は「いつもと違う日だけ、一言」でいい日記。毎日のノルマなし
・書いた内容はAIが自動で仕分け。マニュアル・人物像・毎年の予定に育っていく
・たまると「前どうしたっけ?」に答えるデータベースになり、分身AIの人柄も作る
・事実と対応をセットで、人の名前を入れて書くと、記録の価値が倍になる

年輪は1年に1本ずつ。今日のできごとは今日しか書けません。だからこそ、道具は軽く、義務はなしにしました。今夜、もし「いつもと違う何か」があった日なら、寝る前の30秒、マイクに向かってひとことどうぞ。それが1本目の年輪です。10年後の会社に、太い幹が残ります。

ちなみに、日記はあとから読み返して「追記・修正」もできます。あの日の対応の続きがどうなったか、ひとこと書き足しておくと、記録は物語として完成します。未来の読み手――それはあなた自身かもしれません――への、ちょっとした親切です。

会社の歴史は、大事件の記録ではなく、こうした小さな一日の積み重ねでできています。今日の一言から、どうぞ。

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この記事を書いた人

創業45年になる有限会社クリンシアの2代目代表。マットモップレンタル事業、ビルメンテナンス清掃事業、家庭用洗剤、次亜塩素酸水製造販売事業、ナノテックシステム導入支援事業、清掃用具関連販売事業、清掃業務に関するコンサルティング事業などをしています。 また飲食店事業としてテイクアウトカフェの運営も行っています。

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