前回、「分身に聞く」の話をしました。あなたが話した記録をもとに、AIが「社長ならこう言う」と答えてくれる機能です。読んだ社長さんから、鋭い質問をいただきました。
「それ、従業員に自分のスマホを渡すんですか?」
……その通りです。渡せません。今日はこの問題を解決する、新しい入口の話です。
社長の画面には、ぜんぶ入っている
「会社のおまもり」の中には、会社のすべてが入っていきます。仕事のやり方だけでなく、お金の流れ、家族に残したい言葉、自分だけの覚え書き。
だから、いくら「分身に聞けるよ」と言っても、社長のアカウントを開いたスマホをそのまま渡すわけにはいきません。金庫の鍵を貸すのに、金庫ごと渡す人はいませんよね。
渡すのはスマホではなく、「合言葉つきのリンク」
そこで作ったのが、家族・社員専用の窓口です。仕組みはかんたん。
設定画面で合言葉を決めて窓口を開くと、専用のリンクが発行されます。それをLINEで送るだけ。受け取った側は、リンクを開いて合言葉を入れると――質問だけできるチャット画面が開きます。アカウント登録も不要です。
従業員「お客様からクレームの電話です。まずどうしたら?」
分身「まず言い訳をせずに謝って、事実確認を先にしてください。対応が終わったら、必ず本人に報告を」
この画面からできるのは「聞くこと」だけ。記録を見ることも、書き換えることも、設定を触ることもできません。社長のスマホは、社長のポケットの中のままです。
相手によって「見せる範囲」を変えられる
もうひとつ大事なのが、誰に・どこまで見せるか。窓口は3種類あり、それぞれ別のリンクと合言葉です。
| 窓口 | 分身が根拠にする記録 | 渡す相手のイメージ |
|---|---|---|
| 従業員向け | 「事業関係者に見せる」記録だけ | 社員・パートさん |
| ご家族向け | 家族向け+事業の記録 | 奥様・お子さん |
| すべて見せる | すべての記録 | 後継者など、全幅の信頼をおける人 |
ポイント: 記録はもともと「家族に見せる」「事業関係者に見せる」「自分だけ」に自動で仕分けされています。窓口は、その仕分けをそのまま使うだけ。追加の作業はありません。
答えられなかった質問が、会社を賢くする
ここからが、この仕組みのいちばん面白いところです。
分身は、記録にないことを聞かれたら知ったかぶりをせず「まだ記録にないですね」と答えます。そしてその瞬間、その質問が社長のところに自動で届きます。
社長のアプリの「不足している質問」に、「ご家族向けの窓口で聞かれましたが、記録に答えがありませんでした」と並ぶのです。あとはひとこと答えるだけ。マニュアルに反映されて、次からは窓口が代わりに答えてくれます。
つまり、従業員や家族が質問すればするほど、会社の取扱説明書が育っていく。「何を書き残せばいいかわからない」という最初の悩みを、質問される側から解決していく仕組みです。
使い方は3分で終わります
やることは3つだけ。
1. アプリの「設定」→「従業員・家族の窓口」を開く
2. 合言葉を決めて「窓口を開く」を押す
3. 発行されたリンクと合言葉を、LINEで相手に送る
これで、あなたが現場にいても、出張中でも、ゴルフ中でも――会社の「これどうします?」には分身が答え、答えられなかった質問だけが静かに手元に届きます。
社長のスマホは、触らせない。それでも、会社は回る。そんな状態への近道です。

