従業員が「社長、これどうします?」と聞かなくていい会社の作り方

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従業員が「社長、これどうします?」と聞かなくていい会社の作り方

「社長、これどうします?」

この言葉、1日に何回聞いていますか。3回? 5回? 現場に出ている日は、10回を超えるかもしれません。

ひとつひとつは、数十秒で終わる小さな質問です。でも塵も積もれば山となる。電話や現場作業が細切れに中断されて、気づけば「今日、自分の仕事がぜんぜん進んでいない」。そんな夕方を、何度むかえたことでしょう。

今日は、この「どうします?」を減らして、社長がいてもいなくても回る会社にする話です。

先生がいなくても自習できるクラスの秘密

学校を思い出してください。先生が急に職員室へ呼ばれたとき、大さわぎになるクラスと、静かに自習が進むクラスがありました。

ちがいは、生徒の性格ではありません。「見れば分かるもの」があったかどうかです。黒板に今日の課題が書いてある。よくまとまったノートやプリントが手元にある。だから、先生に聞かなくても手が動くのです。

会社もまったく同じです。従業員が「社長、どうします?」と聞くのは、甚えでも能力不足でもなく、見れば分かる場所がどこにもないから。答えのありかが社長の頭の中だけなら、聞く以外に方法がないのです。

「社長、これどうします?」と聞かなくても、自分で動ける。
「社長、これどうします?」と聞かなくても、自分で動ける。

聞く側も、じつは気をつかっている

もうひとつ、見落としがちなことがあります。「どうします?」と聞く側も、けっこう気をつかっている、ということです。

「社長、忙しそうだな」「こんな細かいこと聞いたら悪いかな」「前にも聞いた気がするけど、忘れちゃったな……」。そうやって聞くのをためらって、自己流でやって失敗したり、確認を後回しにして納期がずれたり。質問の遠慮は、小さな事故のもとになります。

「見れば分かる場所」があると、この遠慮ごと消えます。聞かなくていいから、気をつかわなくていい。従業員にとっても、実はとても働きやすい環境なのです。

「見れば分かる場所」を、話すだけで作る

「会社のおまもり」は、社長がAIと話すだけで、「見れば分かる場所」が育っていくサービスです。話した内容をAIが整理して、会社の取扱説明書としてためていきます。

ためかたは、かんたんです。今日あったことを、1日5分しゃべるだけ。「B社の請求は毎月20日締めに変わった」「クレームのときは、言い訳より先に謝る。それから事実確認」。こうした一言一言が、従業員が見られる「会社の教科書」のページになっていきます。

そして、ここからが本題です。このソフトには「分身に聞く」という機能があります。

社長の「分身」が、代わりに答えてくれる

「分身に聞く」は、たまった記録をもとに、AIが社長の代わりに質問へ答えてくれる機能です。

従業員「お客さんからクレームの電話。まずどうすればいい?」
分身AI「まず言い訳せずに謝って、事実確認を先にしてほしい。以前の予約行き違いのときも、先に謝ってから状況を整理してうまくいった。対応後に必ず私に報告を」

これは魔法ではありません。社長が日々話してきた記録――考え方、過去の対応、口ぐせ――をもとに、「社長ならこう言うだろう」を組み立てているだけです。だから、記録がたまるほど、分身は本物に近づいていきます。

記録にないことを聞かれたら、分身は正直に「まだ記録にありません」と答えます。それを社長がひとこと教えれば、次からは答えられるようになる。会社に、もうひとり自分が増えていく感覚です。

答えは説明書にある。みんなが自分で調べて動けるチームへ。
答えは説明書にある。みんなが自分で調べて動けるチームへ。

ゴールは、社長が堂々と休める会社

誤解のないように言うと、目指すのは「従業員が社長に話しかけない冷たい会社」ではありません。相談ごとや新しい挑戦の話は、これからもどんどん話し合えばいい。

減らしたいのは、「答えが決まっているのに、社長の口からしか出てこない質問」だけです。それはAIの分身に任せて、人間どうしは、人間にしかできない話をする。そのほうが、ずっと健全だと思いませんか。

「見れば分かる場所」が育った会社では、社長が風邪で寝込んでも、旅行に行っても、仕事は回ります。つまりこれは、従業員のための仕組みであると同時に、社長が人生で初めて、安心して休むための仕組みでもあるのです。

今日の「どうします?」を、明日の教科書に変えていきましょう。

始めたら、こんなふうに変わっていきます

最後に、記録を始めた会社が通る道のりを、時間の順に描いてみます。

最初の1週間――社長が1日5分、AIとしゃべる習慣づくり。話した分だけ説明書のページが増えていくのが見えて、ちょっと楽しくなってくる時期です。

1か月後――会社の骨組み(連絡先・毎月やること・請求のルール・注意点)がほぼ出そろいます。新しい従業員への説明が「これ見ておいて」で済むようになり、同じ説明を3回する日々が終わります。

3か月後――日々のできごとの記録がたまり、「分身に聞く」がだいぶ本人らしくなってきます。よくある質問は分身が答えるので、「社長、どうします?」が目に見えて減ります。

1年後――会社の1年分の季節仕事(繁忙期の段取り、年末年始の準備、毎年の行事)が記録され、時期が来ると向こうからお知らせが届きます。もう「去年どうやったっけ?」で悩みません。

大事なのは、この変化が「大改革」ではなく、1日5分のおしゃべりの積み重ねで起きるということです。従業員に負担をかけず、社長の習慣ひとつで、会社は静かに変わっていきます。

そしてある日、気づくはずです。「そういえば最近、堂々と休めるようになったな」と。

「社長、これどうします?」は、会社が社長を頼っている証拠でもあります。でも、その頼りが一人に集まりすぎると、会社も社長も苦しくなる。頼れる場所をもうひとつ作ってあげることが、みんなをラクにする近道です。

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この記事を書いた人

創業45年になる有限会社クリンシアの2代目代表。マットモップレンタル事業、ビルメンテナンス清掃事業、家庭用洗剤、次亜塩素酸水製造販売事業、ナノテックシステム導入支援事業、清掃用具関連販売事業、清掃業務に関するコンサルティング事業などをしています。 また飲食店事業としてテイクアウトカフェの運営も行っています。

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