年末繁忙期から逆算する秋の営業計画——10月に動く会社が12月に笑う

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清掃業の12月は、1年で一番の書き入れ時。ここでどれだけ受けられるかで1年の勝負が決まる——これは、この業界の全社長の共通認識だと思います。

でも、あまり知られていない事実があります。12月の売上は、12月には作れないということです。

12月に鳴る電話の数は、11月までに何をしたかで、もう決まっています。11月のDMの反応は、10月の準備で決まっています。つまり、年末商戦の本当の開幕日は10月。今日は、12月に笑うための「逆算の営業計画」を、カレンダー付きでお話しします。

目次

なぜ「12月になってから」では遅いのか

お客様が動く前に届ける逆算タイムラインの図解

まず、お客様の側の動きをカレンダーで追いかけてみましょう。大掃除を業者に頼もうと考えるお客様が実際に動き出すのは、例年11月中旬〜12月上旬です。テレビが年末の話題を流し始め、「ああ、今年もあと少しね」となったあたりで、重い腰が上がります。

ということは、あなたの案内がお客様の手元に届くべきタイミングは、お客様が動き出す直前の11月上旬〜中旬。腰が上がった瞬間に、目の前にあなたの名前がある状態を作るためです。

逆算すると、こうなります。11月に案内を届けるには、10月に「誰に・何を送るか」が決まっていなければならない。10月にそれを決めるには、顧客リストと文面と、今年の売り物が整理されていなければならない——。

畑と同じです。12月に収穫したければ、10月に種をまくしかない。12月になってから「さあ売るぞ」と種をまいても、芽が出る頃には正月です。

逆算カレンダー: 10月・11月・12月にやること

A・B・Cの3つのリストの図解

では、具体的な逆算カレンダーです。

10月前半: 「今年の顔ぶれ」を決める

過去の記録から、3つのリストを作ります。

  • Aリスト: 去年・一昨年の年末に頼んでくれたお客様——最優先。ほぼ確実に今年も需要があります
  • Bリスト: 今年、年末以外に作業したお客様——夏のエアコンのお客様など。「年末もどうぞ」の橋を架ける相手
  • Cリスト: 見積もりだけで終わった・1年以上ご無沙汰のお客様——年末は再登場の絶好の口実です

リスト作りにかかる時間は、日々の記録が整っていれば30分。記録が段ボールの中なら丸2日。ここでも記録の貯金がものを言います。

10月後半: Aリストに「先約のご案内」を送る

常連さんには、一般募集より先に案内を出します。「毎年ありがとうございます。今年も年末のお掃除の時期が近づいてまいりました。いつもご利用いただいている◯◯様には、混み合う前に良いお日にちを確保させていただきます。ご希望の時期をお知らせください」——。

「常連だから先に声がかかる」という特別扱いは、値引きよりずっと効く優遇です。しかも10月のうちにAリストの予約が入ると、12月の空き枠が確定し、残りの営業計画が立てやすくなります。

11月上旬〜中旬: BリストとCリストへ一斉案内

ここが本番のDMです。Bリストには「夏はありがとうございました。年末の大掃除のご予約も承っています」、Cリストには「ご無沙汰しております。年末に向けて、日程はお早めがおすすめです」。文面はハガキ1枚、例年これで十分に反応が取れます。

12月: 受けて、こなして、種を拾う

12月にやる営業はひとつだけ。飛び込みの依頼に丁寧に対応しながら、来年のための記録を取り続けることです。今年断らざるを得なかったお客様のメモ(来年のAリスト候補です)、作業先で見つけた「次の困りごと」、お客様のぽろっとした一言。年末の忙しさの中で拾ったメモが、来年の1月〜2月の閑散期を埋める弾になります。

そのまま使える11月DMの文例(B・Cリスト用)

11月の一斉案内の文面も、型を置いておきます。コピーして手直ししてください。

Bリスト(今年のお客様)向け:「◯◯様 夏はエアコンクリーニングをご利用いただき、ありがとうございました。早いもので、もう年末の話が聞こえる季節になりました。年末の大掃除のご予約も承っております。12月は混み合いますので、日程のご希望がある方はお早めにご連絡ください。11月中でしたら、比較的ご希望に添いやすい状況です。」

Cリスト(ご無沙汰・見積もりのみ)向け:「◯◯様 大変ご無沙汰しております。以前お世話になりました△△クリーンです。今年も残すところ2か月足らずとなりました。年末に向けて、水回りやレンジフードのお掃除のご依頼が増えております。もしお困りの箇所がございましたら、お気軽にお声がけください。◯◯様のお役に立てれば嬉しく思います。」

どちらも共通のコツは、売り込みの圧より「時期の情報」を主役にすること。「混む前ですよ」は、事実であり、親切であり、そして十分に営業として機能します。

「断り方」まで設計しておくと、来年につながる

年末には、予約が埋まって断らざるを得ない場面が必ず来ます。ここで、ただ「いっぱいでして……」と切るか、こう返すか。

「あいにく年内は予約が埋まってしまっておりまして、申し訳ありません。もしよろしければ、1月でしたら日程に余裕がありますし、年末より落ち着いて作業できます。あるいは、来年は11月頃にこちらから先にご案内を差し上げましょうか?」

断りの電話を、①1月の仕事への振り替え ②来年のAリスト入り、のどちらかに変換する台本です。電話を切ったら、お名前と連絡先と「来年11月に案内」を必ず記録する。今年受けられなかったお客様は、来年の一番確実な見込み客なのです。

10月に動く会社が、12月に笑う

まとめます。10月前半にリストを作り、後半に常連へ先約案内。11月に一斉DM。12月は対応と記録。——やること自体は、どれも難しくありません。難しいのは、まだ暑さの残る10月に「年末の準備を始める」という発想のスイッチだけです。

周りの会社が11月末に慌ててチラシを刷り始める頃、あなたの手帳の12月は、常連さんの予約でもう半分埋まっている。閑散期の10月が、実は1年で一番大事な営業月だった——そう気づいた会社から順番に、年末の景色は変わっていきます。まずは今週、去年の12月の作業記録を開いて、Aリストの名前を書き出すこと。年末商戦の号砲は、その10分で鳴ります。

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この記事を書いた人

創業45年になる有限会社クリンシアの2代目代表。マットモップレンタル事業、ビルメンテナンス清掃事業、家庭用洗剤、次亜塩素酸水製造販売事業、ナノテックシステム導入支援事業、清掃用具関連販売事業、清掃業務に関するコンサルティング事業などをしています。 また飲食店事業としてテイクアウトカフェの運営も行っています。

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